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フリーランスのクラウドソーシングじゃないほうの稼ぎ方

ファイト フリーランス

新米フリーランスさんの応援企画です!

いちおうウェブデザイナーの方々を対象にしてますが、ライター・翻訳家など他業種のフリーランサーにも応用できる部分があるかと思います。

さて、フリーランスのあなた、クラウドソーシング以外の稼ぎ方に挑戦してみませんか? その稼ぐ方法とは「自サイト」です。

自サイト作ったら収入3倍

自サイトは、その名のとおり「自分のサイト」のことです。サイト制作の技術を持ってるのに、自分のサイトは持ってないフリーのウェブデザイナーさん、多いですよね。自サイトは、技術を伸ばすきっかけにもなり、収入を安定させるお守りにもなってくれますよ。

確かに、クラウドソーシングはお手軽です。技術的にまだ未熟な新米さんでも、手をあげまくれば、それなりに仕事にありつけます。

でも、最近キツさが増してませんか? クラウドソーシングの単価は安く、仕事を得るための競争率も激しくなる一方です。このままクラウドソーシングに頼りっぱなしでいいのかなあ、食べていけるのかなあと不安になっているフリーランスさんは少なくないはずです。

そんなクラウドソーシングへの依存度が高いフリーランスさんへ向けて始めたのがこの連載でした。クラウドソーシングみたいなアウェイで戦うばかりではなく、自分で作ったサイトでお客様から直接お仕事を発注してもらえる未来を目指しましょう、そういうことを書いてきました。

今回はついに4回目。書き溜めていたのを一気に放出します。最後までいきます。長くなったのでまずは目次からどうぞ。

目次

1. 迷えるフリーランスのNさんをご紹介

フリーランスのNさん

最終章ということで軽く前回までの話を振り返っておきます。

事の始まりはNさんからの相談でした。フリーランスとして独立してまだ一年、こんなことに悩んでいました。

  • コネがない
  • 収入源はクラウドソーシングだけ
  • 月収が20万円前後で心細い

スクール卒業と同時にフリーランスとして活動を始めたNさん。制作会社へ勤めた経験はなく、実績もなしです。仕事を紹介してくれるコネも皆無でした。

クラウドソーシングだけを営業の場に、できそうな仕事にはとりあえず応募し、コンペへも積極的に参加します。一ヶ月みっちり働いた結果の労働時間と給料はこんな感じでした。

192時間/165,500円

時給にすると860円。なんだか微妙な金額ですよね。自分の裁量で自由に働き方を決められるのがフリーランスの魅力のはずだったのに、この時給なら、がんじがらめに働かなくちゃ食べていけません。

こんな結果になるのは、Nさんがクラウドソーシングの黒い沼にずっぽりハマっていたからです。

  • 単価が安い
  • 競争が激しい
  • コンペで疲弊

この3つは闇、クラウドソーシングのデメリットです。

安い仕事でも手をあげる人が多いので、さらに単価が安くなるという悪循環を招きます。少しでも稼ぎを増やせればとコンペにも参加しますが、落選も多く、働いた時間がそのまま収入へ結びつくというわけではありません。

一生懸命、さんざん労働時間を積み重ねても、これだけの収入にしかならないなんて。フリーランスへあこがれていたあの頃、ウェブデザイナーを夢見ていた自分。なんだったんだと悲しくなります。

そこで決めました。コンペには参加しません。クラウドソーシングは確実な仕事だけを最低限こなし、余った時間を自サイトの作成へ捧げます。

2. 自サイトのメリット

クラウドワークス/自サイト

自サイトを作るメリットを簡単にまとめておきます。

例えるなら、クラウドソーシングは「バトルロイヤル」、自サイトは「自分のお城」です。

リング上でおおぜいと殴りあいながら仕事を得るよりも、小さくても城の主を目指します。「リングにあがったたくさんのうちの一人」と違って、城主になれば、相談を抱えたクライアントさんに自ら訪ねてきてもらうことが可能になります。それによって、こんな3つの特権が認められます。

  • 1. 優良な案件へチャレンジできる
  • 2. アクセス解析を利用できる
  • 3. 収入が安定する

2-1. 優良な案件へチャレンジできる

フリーランスにとって、優良な案件とは? 簡単にちゃちゃっと終わらせられる仕事ではないですよ。こういう条件が揃っているのがベストです。

  • お金がいい
  • 技術レベルがあがる
  • 実績で公開できる

クラウドソーシングには、まったく逆の案件が集まりがちです。発注する側が、実は受注者の働きにあまり期待していないからです。

これは僕自身がクラウドワークスを発注者として利用しているからわかります。別に誰にやってもらってもいい、とにかく安く済ませたい、そういう仕事をクラウドソーシングへ放り投げます。

大きなお金が動き、ハイレベルな技術を要求する案件は、やっぱり小さくても事業所を構え、自分の所在と責任を明らかにしている方に頼みたいというのが本音です。

そういう優良な案件の受け皿になるのが自サイトです。単価がクラウドソーシングに比較してましなことはもちろん、技術的にやりがいがあり、終わったあとのレベルアップも期待できる案件を受注します。そして納品後に、実績として自サイトで公開します。その実績を見た新しいお客様からまたお声がかかります。この好循環を最速で回転させることが理想です。

2-2. アクセス解析を利用できる

サイト運営の経験がまったくなくデザインばかりを専業にしてきた方にとって、アクセス解析のことは、もう全然わからない世界かもしれませんね。

自サイトでは、サイト訪問者の行動を記録するアクセス解析を利用できます。

アクセス解析はいろいろなことを教えてくれます。いま取り組んでいるサイトの問題点だけでなく、フリーランスとして苦手なところや、これから身につけておくべき技術なども明らかにしてくれます。

アクセス解析に慣れることで提案力も身につきます。企画から制作までひとまとめになった大きな案件では、必ず提案力を試されます。クライアントさんの要望へ対して提案するとき、感覚だけを頼った説明では説得力に欠けます。提案を裏付けするデータや分析を加える事で、クライアントさんの信頼を勝ち取れます。

以上! ここまでが連載1~3回目までの振り返りです。今までのあらすじをなぞるだけでもかなりの量になっちゃいました。はしょってるところもわりとあるので、まだの人は各回を読んでから先を進めるといいかもです。

それでは、続きです。ここからは初公開の部分です。自サイトの3つ目のメリットから説明します。

2-3. 収入が安定する

コンバージョンが一定

自サイトの育成に成功できれば、収入が安定します。

これはNさんの自サイトから発生した「お問い合わせの数」をグラフにしたものです。ここ4ヶ月は、10~20の間でまあまあ一定(ちょっと10月が悪かったけど)してますね。

この傾向はNさんに限ったことではありません。

ウェブサイトで生じるお問い合わせの数は、だいたいいつもそのサイトの質に影響されます。できが悪いサイトならお問い合わせは来ません。逆にできが良ければたくさんのお問い合わせが送られてきます。良くも悪くも、サイトの質がお問い合わせの数を決めます。

つまりは、自サイトをしっかりお問い合わせが得られるまで育てられれば、それからある程度の期間は「待ちの気持ち」で構えてられます。Googleが極端に検索順位を混乱させたり、リスティング広告の予算を使い果たしてしまったり、サイトへの集客へ直接作用するトラブルやイベントが起こらなければ、先月のお問い合わせとだいたい同じ数のお問い合わせを今月も得られます。そして来月もです。

こんなふうに、たとえ少ないとしても売り上げの予測があるのは、本当に心強いことです。いままでは先が見えないせいで、前にぶら下がる仕事を闇雲に取ってました。売上の見込みがあれば、仕事を選ぶ余裕が生まれます。仕事だけじゃなく生活の計画も立てやすくなり、長期休暇の予定なんてのも組みやすくなりますよ。

3. 自サイトのデメリット

タイムイズマネー

さんざん自サイトの良い面ばかりを強調してきましたが、もちろんデメリットもあります。「時間」です。

自サイトからの売上を安定させるまでは、試行錯誤と切磋琢磨の繰り返しです。サイト作りの方向性を見誤ってしまうと、延々と何も成果が出ない状態が続きます。過ぎる時間がリスクです。

ただ、費やした時間が完全にムダになるのかといえば、そうではないと言い切れます。

自サイトはネット上に常に存在していくことになります。クラウドソーシングのコンペのように、成果物が表に出ないままお蔵入りすることはありません。

改善の痕跡はかならず残り、工夫を重ねていく過程では、いろいろなことを学べます。ウェブデザインそのものの技術はもちろん、他には、コピーライティングや文章作成、アクセス解析の見方や途中でリスティング広告を試したりすることもあるでしょう。

お問い合わせへ返事するメール術や、相談を受けながらお申し込みへ導き納品に至るまで、クライアントさんを引っ張っていくディレクションの腕も磨かれます。

全部が今後長くフリーランスとして生き残るためには欠かせない能力です。クラウドソーシング一辺倒ではなかなか身につきにくいスキルです。

自分に学習の機会を与えるつもりで自サイトの作成に取り組んでみるのがいいですね。城主になるのはメリットが多いだけに大変なのは当たり前。覚悟を決めて邁進です!

4. ポートフォリオじゃだめなの?

ポートフォリオ

ポートフォリオ。ここでは、過去の制作物をネットで見られるように並べたサイトのことをいってます。

ポートフォリオは、自分が持つセンスや技術を目一杯よく見せることが目的です。就職口を探すときや、プロジェクトに参画したいときなど、自分を売り込むときに利用します。

このポートフォリオ。じつは「新しい顧客を開拓する」という点においては、あまり役にたちません。というのも、ポートフォリオの多くが「集客も接客も意識していない」サイトだからです。

4-1. ポートフォリオ=人里離れた陶芸ギャラリー

集客も接客もやるきなし

人里離れた山奥にひっそりと佇む陶芸品のギャラリーを想像してみましょう。多くのポートフォリオは、例えるならこういう陶芸品ギャラリーと同じです。

ギャラリーの場所を知らせる道標はありません。入ってくるお客様は、本当にたまたま、登山の帰りに迷いこんでくる人だけに限られます。

ギャラリー内に展示された陶芸品に値札はなく、主人の感性にしたがって、ぽつんぽつんと並べられています。基本的に主人は奥の工房に引っ込み。ギャラリー内は冷気が漂ってます。

お客様は、手にとって見たい陶芸品があっても、それが売り物かどうかもわからず、ひとけもないので、なんだか気味が悪くなり、そーっと去っていきます。

この場合は、そもそも主人である陶芸家自身に売る気がないので成り立ってます。お客がくるかどうかはどうでもよくて、陶芸品も別に売れなくて構いません。「集客も接客もおかまいなし」、完全に主人の自己満足が営業目的というわけです。

多くのポートフォリオは、このギャラリーと同じ道をたどっています。集客と接客の工夫がないわけです。自分を満足させたい。それだけが目的ならまったく問題はないのですが、「お客様からの依頼を受注するためのサイト」としては適切ではありません。

5. 集客と接客ができる自サイトを作ろう!

集客も接客もできる自サイト

自サイト経由でお問い合わせを増やしたいなら「集客」と「接客」ができていることが肝心です。

集客は自サイトへたくさんのお客様を集めるための工夫です。接客はサイトにアクセスしたお客様へうまく対応するための工夫です。集客と接客、それぞれ小さな工夫を積み重ねることが必要です。

どんな工夫をしていけばいいのか、うまくいったNさんのケースを例に振り返ってみます。

6. 集客の工夫

集客

集客は読んで字のごとし、お客様をたくさん集めるための工夫です。次の5つをあげてみます。

  • 1. 集客経路を知る
  • 2. 検索エンジンを狙う
  • 3. 「お問い合わせ」しやすいキーワードを見つける
  • 4. 商品化できそうなキーワードを見つける
  • 5. リピーターを増やす

6-1. 集客経路を知る

集客に取り組む大前提として、初めにネットでの人の流れを知っておく必要があります。自サイトへのお客様はどこから来るのか、「自サイトへのお客様の流れ=集客経路」を掴み、どの経路を狙うのか計画を立てます。

基本的な「サイトへの集客経路」について、ずっと昔にまとめたことがあります。二年前の記事なので、そろそろ加筆や修正が必要だと思いますが、まだまだ今でも通用するところがあると思います。

6-2. 検索エンジンを狙う

自サイトへの集客経路で一番に狙うのは、やっぱり「検索エンジン」です。なぜなら検索エンジンからのアクセスは工夫するほど増えやすく、お問い合わせにもつながりやすいからです。

その証拠がこの集客経路ごとのアクセス数とコンバージョン率のレポートです。コンバージョンは「お問い合わせ」のことだと思ってください。コンバージョン率はアクセスのうちお問い合わせが発生した割合を表しています。

チャネル

Nさんのサイトでいうと、検索エンジンからのアクセスが全体の63%。コンバージョン率は他の2~4倍になってますね。(ソーシャル経由が6%と圧倒的に高い数字になってますが、これは例外。まとめサイトに運良く取り上げられたからです)。訪問者の6割が検索エンジンからやってきて、お問い合わせの発生率は他の集客経路よりもずば抜けて高いことがわかります。

6-3. 正しいSEOを知る

検索エンジンからのアクセスを増やす方法を「SEO」と呼びます。SEOを完全に理解しようとすると時間がいくらあっても足りませんが、最初に基本的な原則を知っておくだけでも、あとの成功率が変わります。

SEOのはじめの一歩として、Googleがガイドブックを配っています。必ず目を通しておきましょう。

ネットを検索するとSEOの過去の情報がたくさんヒットします。知識が不足しているうちに、あれもこれもとテクニックを試すと、逆にペナルティを受け、極端にアクセスを失うリスクがあります。

Googleが検索サービスを提供する方針をよく理解し、正しいSEOを心がければ、ゆるやかでも着実にアクセスを増やせます。焦らず地道にいきましょう。

苦労して増やした検索エンジンからのアクセスは、コンバージョン(お問い合わせ)につながりやすいです。その理由は、検索者の動機に着目すれば理解できます。ネットで欲しいものや解決したいことを見つける手段が「検索」です。求めるものが「商品」でも「解決策」でも検索する動機は「入手」です。動機が「入手」なので、検索後の訪問者がそのまま商品の購入やサービスへのお問い合わせへ至るのは自然な流れだといえます。

6-4. お問い合わせしやすいキーワードを見つける

アクセスを集め、少しずつコンバージョンさせられるようになると、アクセス解析のデータに面白い「かたより」を発見できます。下の図は「検索キーワードの集客レポート」です。検索キーワードごとの「コンバージョンの数と発生率」がわかります。この中にコンバージョンしやすいキーワード、つまり、お問い合わせへつながりやすいキーワードを発見できます。

コンバージョンしやすいキーワード

上の画像でハイライトした検索キーワードのコンバージョン率は「21.43%」。このキーワードでアクセスしたお客様のうち21.43%がお問い合わせをしてくれたことを表しています。他より圧倒的に高いですね。

こういうコンバージョン率が優れたキーワードを発見できれば、その後のSEOを有利に進められます。また、キーワードに対して広告を出せるリスティング広告に挑戦するときにも役立ちます。

検索キーワードをじゅうぶん比較できるほどアクセスを得られるまでは、けっこうな期間がかかると思います。Nさんの場合、サイトの平均的な月間アクセスは300くらいで、有利なキーワードが見つかるまで約半年かかりました。小さいサイトだとデータを集めるのに時間がかかってしまいますが、辛抱強く追いかけます。

6-5. 商品化できそうなキーワードを見つける

検索キーワードのレポートを日々追いかけていると、不思議と「お問い合わせには結びついてない。でも検索数の多いキーワード」に気づくことがあります。これはビジネスチャンスです。

例えばこれです。「不動産ホームページ 格安」。

不動産 ホームページ 格安

検索した人は、不動産業の関係者でしょうか、格安で自社のホームページを作れる業者を探しているのだろうか、と予測できます。WordPressを利用して物件を簡単に更新できるHPパックを低価格で売りだせば、食いついてくれるかもしれません。

検索キーワードは「お客様の声」です。お客様がいま抱える欲求や悩みのリストです。アクセスの多さが目立つキーワードで商品化できるものはすぐしましょう。たくさんのお客様が「これを売ってくれ」と要望しているわけですから。

これまであげた「お問い合わせに結びつきやすいキーワード」「商品化できそうなキーワード」など、検索キーワードを検証する面白い方法があります。「バブルチャート」という方法です。規模が小さく、あまりキーワードを取れないサイトには不向きですが、何かしら役立つヒントを得られるはずです。過去に特集しているので一緒にどうぞ。

6-6. リピーターを増やす

リピーターのコンバージョン

これはNさんのサイトにおける1年間の新規訪問者とリピーターによるお問い合わせ数の比較です。お問い合わせの数にあまり差はありませんが、「お問い合わせの発生率」に注目すると、リピーターのほうが高いですね。

この結果はむしろ当然といえます。初めてのアクセスでお問い合わせを決心する勇ましい人は、あまりいないからです。二度、三度とリピート訪問した末に、やっとお問い合わせを決心するのが普通です。

リピーターを増やすための、最も単純で効果の高い方法はサイト名やドメインを覚えやすいものにすることです。これは先にも見せたNさんのサイトにおける検索キーワードの一覧です。ハイライトしているところは、Nさんのサイト名です。

サイト名でのアクセス

お問い合わせの発生率が21.43%。他より群を抜いて高いです。覚えやすくしたことによって、ちゃんとサイト名での検索をしてもらってます。リピートしてもらいやすくするため、サイトや商品に印象的な名前を付けましょう。簡単ですが、効果の高い方法です。

7. 接客の工夫

接客

さて、次は接客の工夫です。集客がうまくいけばたくさんのお客様にアクセスしてもらいます。アクセスしてもらったお客様をうまく接客し、お問い合わせへ導きます。

接客の工夫例として次の4つをあげておきます。

  • 1. わかりやすさを優先する
  • 2. 誠実に対応する
  • 3. 電話も用意する

7-1. わかりやすさを優先する

ウェブデザイナーですから、腕をふるいまくって自慢の技術を見せたい気持ちはわかります。しかし! 日々の営業でお客様の声に耳を傾けると、決して、優れた技術で作られたデザイン性の高いサイトが好まれるわけじゃないことがわかりました。

お客様の声

お客様の声は他にも色々と気づかせてくれますね。

ウェブ関連の話はただでさえ専門的な用語が多く、一般の人には伝わりにくいものです。それに加えて、デザインや構成など、闇雲にテクニックへ走れば、サイト全体の使いやすさまでも残ってしまいます。

とにかく「わかりやすさ」を意識し、こういう部分に気をつけます。

  • 見た目。レイアウト、文字の大きさ・色、画像の見せ方
  • サイトのナビゲーション
  • 専門用語はできるだけ避ける。使う場合はちゃんと説明をつける
  • 料金体系を明示する
  • 料金に含まれるサービスの内容を詳しく説明する
  • 所在や連絡先を明確に記載しておく

7-2. 誠実に対応する

お客様が知りたいことに対して、出し惜しみせずに答えを与えることも大切です。「これを書いちゃうととお問い合わせの数が減っちゃうかなあ」ということってありますよね。例えば、

  • 追加料金のこと
  • 修正回数の制限
  • 着手金のこと
  • キャンセル料のこと
  • 住所とか電話番号

こういうちょっと秘密にしておきたいことや、言っちゃうと商売に不利になりそうなことを隠しておきたくなる気持ちはわかります。でも、いつかは伝えなきゃいけないことですよね。伝えるのが遅くなるほど、お客様に「なんで今まで言わなかったの?」と不信感を与えます。気をつけましょう。

7-3. 電話も用意する

シンプルですがお問い合わせを増やすのに、すごく効果的です。

電話番号が書いてあるだけで、サイトの信頼感は高まります。「困ったときは電話で聞ける」。この安心感がお客様をお問い合わせへと導きます。

プライベートの電話を公開したくなければ、「050 plus」のようなIP電話のアプリが便利です。パソコン、スマホにインストールして、専用の電話番号を取得できます。

電話でのお問い合わせには、できるだけ元気に対応します。ボク自身の体験です。IT関連の会社の営業さん、フリーランスさん、声のトーンの低い人が目立ちますね。一緒にお仕事をしていく相手としては、ちょっと心細くなってしまいます。営業トークがヘタなフリーランスさんは多いと思いますが、少し明るくを心がけて、はっきりしゃべれば、印象はガラリと変わりますよ。チャレンジ!

8. 結果(自サイトの稼ぎ)

コンバージョン

こうして「集客」と「接客」に取り組んで結果がこれです。直近1ヶ月で発生したお問い合わせの数がわかります。メールフォームからのお問い合わせが「9」、電話(スマホ)でのお問い合わせが「3」で合計12件です。

ちなみに電話のお問い合わせを計測する方法は過去に記事にしています。

注目したいのはコンバージョン率です。

コンバージョン率

アクセスに対してお問い合わせが発生した割合ですね。「3.5%」は、わりと良い数字で、初年度の結びとしては、誇っていいと思います。

1ヶ月のアクセスを見てみるとわずか300程度です。この程度のアクセスなら、少し頑張れば実現できそうな気がしませんか?

セッション

少ないアクセスでもコンバージョン率を高められれば、しっかり売上をあげられます。先にもあげた集客と接客の工夫がうまくいったからです。

注意したいのは、合計12件のお問い合わせのすべてが受注につながるわけではないことです。クライアントさんの予算や要望に折り合いがつかないか、あるいは、Nさん的にも時間的・技術的に対応できないこともあり、結局、お問い合わせの約半分~3分の1くらいが実際の受注の数となります。12件のお問い合わせが6~4件の受注におさまります。

9. 最重要。安売りはしない!

少ない受注でも食べていけるよう、案件の単価は強気で設定します。

数をこなしても大きな収入に結びつかないならクラウドソーシングと一緒ですよね。それを避けるための自サイトです。あまりにやすい価格設定は避けましょう。

受注の数が少なくても高く売れれば、大きな利益を生み出せます。上の例でいえば、12件のお問い合わせのうち4件が契約へ。サイトまるごとひとつを請け負う案件で、平均的な単価は15万円です。将来的にはもっと単価をあげられればと期待してますが、いまでも15万円を4件受ければ月商は60万円になります。

一時期、検索キーワードの調査に利用した以外は集客に広告の類は使ってません。毎月のランニングコストはドメインとレンタルサーバー代合わせて2000円です。売上の9割が利益として残ります。

労働時間は、クラウドソーシングに没頭していた時代と変わってません。でも収入は3倍です。時給換算だと「860円 → 3000円」に。フリーランサーとしては、なかなか良い線にたどり着きました。

これから案件を4つも5つも平行に進めていくためには、マネジメントのスキルもアップしなくちゃいけませんね。どの作業にどの程度の時間がかるのかを把握しておきましょう。便利なアプリがありますよ。

10. 自サイトを作ったあとは

もちろん、これで安泰だと油断してちゃいけません。営業をしっかりとこなしながら、自サイトへの改善の手を加え続けていくことが求められます。

フリーランスにとって収入源を複数作っておくのはリスク回避のための鉄則です。自サイトを営業活動のベースとして築き、太い収入源をひとつ確保できたのは、日々の不安を取り除きます。将来性を楽しめる余裕も生みますね。スタッフを雇ってさらに事業を拡大したり、部分的に外注を利用したり、組織化も夢じゃありませんし、会社設立だって可能になります。

最後に、もしウェブ制作が得意じゃないフリーランスさんでがいれば、下のようなツールを利用してみてはいかがでしょうか。

以上! 浅く長くざっくり書き連ねてきました。今度は自分の体験談も含めて、各部分をもっと掘り下げて書いていきたいと思います。

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